『プロメア』を自分勝手に解釈してみた2【クレイ・フォーサイトという男】

 

 

クレイ・・

クレイ・・・・・

クレイフォーサイトォォォーー!!!

 

というわけで見事にはまりました。

クレイさん。

 

なぜ彼はこんなにも私を夢中にさせるのでしょうか。

声がいいのか。

顔がいいのか。

身体がいいのか。

すべて当てはまるんですが、一番の理由は彼が心を見せない人であり、それを探ろうとしてしまう人間は見事に彼にはまってしまうのでしょう。

 

さて、見事にはまってしまった私は、ここ最近、ずっと以下の疑問と格闘していました。

それは、

 

Q. なぜクレイはガロを殺さなかったのか?

 

という点です。

答えを、「クレイはガロを愛しているから!」(個人的願望)としてしまうのは簡単なのですが、本当にそんな単純なものなのか?という疑問を持つ私もおり、なるべく様々な可能性を考えつつ考察・解釈(ほとんど妄想)してみました。

長い上にネタバレを含みます。ご注意くださいね。

 

 

1. パルナッソス計画の目的

すでに皆さんご存知の通り、クレイ・フォーサイトは、

 

①自治共和国プロメポリスの司政官で、フォーサイト財団理事長。

②耐火構造素材や瞬間凍結弾の開発研究者。

③ガロの恩人であり、ガロにとっての憧れの人物。

④バーニッシュ。

 

という多面的な側面を持った人物である。

特に、①~③と④はクレイにとって真逆の自分であり、彼の理想である英雄の自分と受け入れられない自分という二面性を示していると思われる。

この点については以下の記事でまとめているので、お時間があればどうぞ↓↓

 

 

musubiki.hatenablog.com

 

上記記事でも書いている通り、クレイ・フォーサイトは「プロメアを制御できずガロの両親を殺したバーニッシュ」という受け入れられない自分を持っており、そのような自分を消したいというある種「自殺願望」のようなものを持っているように感じる。

この彼の「自殺願望」については堺雅人氏のコメント(プロメア公式パンフレット)にも出てきており、同じように感じている人も少なくないだろう。

そしてその「自殺願望」は、すでに彼自身の身体だけでなく、「バーニッシュ」そのものに向けられていたと思われる。

個人的な解釈だが、バーニッシュは共感性が高く、誰かを思いやり、誰かのために(もしくは誰かのせいで)ストレスを受ける人物が多い。

中でもクレイは、誰よりも人類のことを考えており、そしてガロという存在から多大なストレスを受けていた。そのように共感性の高いクレイだからこそ、「バーニッシュ」そのものと自分自身とを同一化し、「バーニッシュ」に対する弾圧やその燃料としての開発をある種壮大な「自殺」の計画として進めていたのではないだろうか。

 

一方で、彼は「英雄」(個人的解釈としては「ガロの英雄」※上記過去ブログ参照)になりたがっていた。人類を救う救世主。それは彼が受け入れられない自分を打ち消すためであるのと同時に、その受け入れられない自分を神格化する目的があったのではないだろうか。

リオを核にして壊れたプロメテックエンジンを復活させようとする場面では、彼はリオに対して「神話となる」ということを言っている。これは、バーニッシュが燃料となり人類を救うことで、バーニッシュ自体を忌み嫌われるものではなく人類の救世主として「神格化」させることを意味している。

それはつまり、クレイの中のバーニッシュという自分も、「神」として人類の救世主になるということでもある。

 

したがって、パルナッソス計画の成功は、彼を人類存続の英雄にするだけでなく、「人殺しであるバーニッシュ」という認めたくない自分を神格化させることにもつながるのだ。

 

2. クレイにとってのガロ

このように、クレイにとってパルナッソス計画の成功は、自身の「英雄、救世主、神」というアイデンティティの確立において大変重要なものであるといえる。

このパルナッソス計画のため、クレイはデウス博士すら殺しており、それほど彼の覚悟が強かったことがうかがえる。

 

では、なぜクレイはガロを殺さなかったのだろうか。

デウス博士はあれだけあっさり殺したのに、なぜ「早く死んでほしい」とさえ思っていたガロは殺さず見守り続け、計画に反対された際にも捕まえるだけにとどめたのだろうか。

 

考えられる可能性としては、以下の三つが挙げられる。

 

①ガロを大事に思っていた

②クレイの求める「英雄」像にガロが必要だった

③ガロの存在が計画に実行に影響なかった

 

①ガロを大事に思っていた

多くの方が集団幻覚を見ているように、①の可能性は十分にありうると考えているが、考察しようとするとどうしても個人的な解釈が入ってしまい証明することが難しい。

 

②クレイの求める「英雄」像にガロが必要だった

また、クレイが司政官としての頭角を現しだしたのがガロの両親の事件後であり、ガロの理想のヒーロー像をずっと演じていた点などを考慮すると、クレイの求める「英雄」像自体がガロの理想とする「英雄」像であり、ガロの存在がクレイの求める「英雄」像に必須であることなどが推測できる。

つまり、ガロの存在は、認めたくない自分を思い出させるものである一方で、英雄である自分を保つために必須であったため、ガロを殺さなかった可能性がある。

そのため②の可能性も考えられるわけだが、①と同様に個人的な解釈である部分が強く、完全に証明することはできない。

 

③ガロの存在が計画に実行に影響なかった

③は、ガロの存在自体がパルナッソス計画の実行において問題ではなく、クレイが個人的に鬱陶しいという気持ちをガロに抱いていたとしても、そのためにわざわざ計画に関係のないガロを殺すような人物ではなかったという可能性である。

平凡ではあるがより一般的な可能性であり、間違いではないだろう。

クレイは物語において悪役ではあるが快楽殺人を行うような悪人ではなく、真面目に人類存続について考えている人物だ。したがって、ガロが認めたくない自分を見せつける存在であっても、そのためにクレイが殺人を犯すことはないだろう。

 

しかしその場合、博士をあまりにもあっさりと殺しすぎではないか、という疑問が出てくる。博士との生前のやりとりでは、「まさか最初からそのつもりで・・・」「そうかも、しれませんね」といった会話をしており、研究に関わる以前から殺人を計画していた可能性をほのめかしてる。だが、様々な可能性を検討するクレイが、「人類存続」を目的とした場合に最初から殺人という選択を選ぶのは少々違和感が残る。

つまり、最初から博士を殺すことを計画していた、となると、彼の殺人の目的は「人類存続」ではなく、「彼自身が英雄となること」であった可能性が限りなく高い(注釈:人類を救うという目的であれば博士の説得なども行動の選択肢にあるはずだが、最初から博士を殺すという行動を選択済みということは、博士の手柄をすべて自分の手柄として横取りして自身が人類の救世主となることが目的だったといえる)

そうすると、何かしらのきっかけでクレイがバーニッシュであることを暴いてしまう可能性のあるガロ(当時の事件を思い出すなど)を生かしておく点も疑問であり、①や②の可能性が再び(私の中で)浮上するわけだ。

 

また、ガロに計画を打ち明けた後、邪魔になることがわかっていながらも殺さず捕まえるだけに留めた点についても疑問が出てきてしまう。計画に対して「俺が地球の火を消すぜ(うろ覚え)」と明らかに行動を起こそうとしているガロだが、クレイはガロに博士ほどの影響力はないだろうと踏んでいたのだろうか。それとも、他に理由があったのだろうか。

そもそも、クレイ自身はガロの言葉を聞いて、「お前ならそう言うと思っていたよ」と答えている。それならなぜクレイは、わざわざ計画の邪魔をするであろうガロに計画を打ち明けたのだろうか。

このような行動を起こした理由を推測することで、もしかすると、クレイの気持ちを少しでも知ることができるかもしれない。そこで、クレイがガロに計画を打ち明けた理由について以下に考えてみた。

 

3. クレイの未来予想

クレイ・フォーサイトのフォーサイトは「未来を見通すもの(forsight)」からきていると思われる。その言葉通り、彼は人類の未来の危機を見通し、その対策として様々な案を立てていた。

そのような彼が、なぜ、わざわざガロに秘密(パルナッソス計画)を打ち明けたのだろうか

正直なところ、ガロであればある程度適当なことを言っても信じてくれそうだが(←ひどい)、未来を見通し様々な可能性を考慮する彼が、わざわざパルナッソス計画の失敗リスクを高めるであろう「真実を打ち明け、その後ガロを捕える」という行動をとった理由はなんだろうか。

そもそも、ガロは立場的には国家公務員ではあるが階級としては低く、そんなガロに国家機密を漏らすのはまずいはずだ。

 

この理由を考えるため、クレイの行動選択に応じてどのように未来が変わるのかを図にしてみた。

 

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クレイの行動選択と推測される結末



この図を見てもわかるとおり、ガロに計画を話した場合、計画が失敗するリスクが高まることがわかる(※正確にはガロを殺す>打ち明けて捕獲(逃亡リスクあり)>捕獲後逃亡≒誤魔化して疑われる)。ガロを完全に言いくるめるもしくは殺してしまえば計画は当初の通り進むわけだが、なぜクレイはガロに計画を打ち明けたのだろうか。

 

ここで、パルナッソス計画が成功もしくは失敗した後の結末(図中の赤色)を考えてみよう。

 

図の右側のとおり、もしクレイがガロを言いくるめてパルナッソス計画を進め成功した場合、残された人間はクレイを恨み、クレイの世話になっていたガロは(たとえ計画を全く知らなかったとしても)多くの人間に責められるだろう。もしくは、ガロは計画を知らないまま地球で滅亡の一途をたどる(船に乗れば計画を知ることになり、ガロは反対することが予想されるため)。

また、失敗した場合、クレイは社会的な制裁を一身に受けることになるはずだ。そしてここでも同様に、クレイの世話になっていたガロはクレイ側の人間として多くの人に責められる可能性が高い。

 

一方で、ガロが計画を知り、逮捕された場合はどうだろうか。

クレイが計画途中で捕獲しているガロを船の外に放置し、逃亡リスクを上げるような措置を取るとは考えにくいため、おそらくガロの捕まった牢屋はクレイの監視下、つまり船の中にあると考えられる(船外の離れたところであれば管理が厳重だろうけど、エリスが入れるほどのガバガバ管理だし、関係者のみが入れる船内である可能性が濃厚)。そのため、計画が成功した場合、クレイもガロも惑星移住に成功し、生存すると思われる。

計画が失敗した場合、ガロは反逆罪的な扱いで逮捕されているため、クレイ側の人間とは判断されず、社会的責任に問われることもないだろう。

 

計画がガロにバレている状態、つまり、「ガロがクレイと敵対する立場である」という事実が成立した場合、パルナッソス計画が成功しようと失敗しようと、ガロが死亡もしくは社会的評判を落とすことはないのだ(地球が滅亡すればみんな死ぬけど、社会的に責められるなど辛い思いはしない)。

 

このことは、クレイが、計画の成功・失敗に関わらずガロの生存や立場が脅かされないような行動選択を取った可能性を示している。 

 

特にクレイは、ガロに計画を話す際に、わざわざ最も非道と思われる実験の一部を彼に見せている。一般人であるガロにわざわざ国家機密の、それも非道な部分を見せるというクレイの異常な行動は、わざとガロに反発させて自分と敵対している状況を作り出したかったという気持ちを表しているのではないだろうか。

 

また、イグニス隊長が仕入れた情報は「ガロはテロ組織の一員であり、クレイの命を狙おうとした」というものであった。単にガロが悪い人間である、という情報ではなく、「テロ組織」、つまりクレイの計画に反対し抗議した人物である、という情報を流した点にも、クレイがわざとガロを自分と敵対する立場にしたかったことが窺える。

 

加えて実際には、ガロはクレイの命を狙うなど罪に問われることはしておらず、クレイの個人的な鬱憤を晴らすような暴言と理不尽な暴力によって捕らわれている。しかもこれらは多くの人間の前で行われており、パルナッソス計画が失敗した場合に多くの人間が証言するだろう。

もちろんこのような理不尽さをクレイが公衆の面前で晴らす、という点に違和感がありまくりであるし、それに類似した出来事が今までになかったことはエリス博士の驚き方で明白である。

 

さらに言うのであれば、先にも述べたようにクレイは計画を聞いたガロが納得せずに自ら行動を起こそうとすることをすでに予想していた(「俺が地球の火を消すぜ」「お前ならそういうと思っていたよ」のくだり)。

 

これらの点を踏まえると、「ガロを捕える」というところまで、クレイの計画の上だった可能性が高いように思える。

クレイは様々な可能性を考える人物であり、計画が失敗したときのことまで考えていたはずだ。そして、その計画失敗のリスクが高まろうとも、ガロの命や社会的立場を最優先して、自分の行動決定を行っていたのではないだろうか。

これはもう、クレイにとってガロが行動選択の肝になっている、つまりクレイはガロの幸せに重きを置いて行動していたことを示唆している。

したがって、

 

Q. なぜクレイはガロを殺さなかったのか?

 

というこの疑問の答えは、少なくとも、

 

A. クレイにはガロが必要だった

 

となる。

それが先に候補としてあげたような①ガロを大事に思っていた、②クレイの求める「英雄」像にガロが必要だった、のかははっきりとはわからない。

しかし、クレイがガロのことを優先して行動していたことは明らかであり、そのようなクレイに対して(妹大好き)エリスが仲間意識を持っていたのも納得である。

 

 

まあ、そのようなクレイの予想を大きく裏切ってガロ(とリオ)は地球を救うわけであり、クレイにとってはガロが自分の思った通りに動かないと地団駄を踏みたくなる状況なわけだが、それもガロをよく知るクレイにとっては、可能性の一つとして見えていた未来だったのかもしれない。

 

クレイの気持ちを完全に理解することは不可能なため、彼の行動からいろいろと探っていったわけだが、私個人の最終的な結論としては、「クレイはやっぱりガロのことしっかりとかんがえていたんだなあ・・・愛」となるわけだ。

 

 

 

以上、映画『プロメア』の悪役、クレイ・フォーサイトについて考えてみた記事でした。

彼の気持ちについては、次回、自分勝手な解釈(個人的願望)を少し追加したいと思います。

この記事を読んで、共感してもらえればうれしいし、異なる意見があれば聞きたいです。いろんな人の考えるクレイ・フォーサイトを知りたい...!

それでは、また。

 

 

 

 

 

プロメア解釈シリーズ①:プロメア(炎生命体)との共鳴に関する記事↓↓↓

 

musubiki.hatenablog.com